WEB集客をする前に考えておかなければいけない事③ 〜商品が良いだけでは物は売れない〜

人の知覚品質はいい加減

日本人のメンタリティとしてありがちな思い込みは「良いものを作れば、売れる」という考え方である。

知り合いの診断士があるとんかつ屋さんを支援した時に、ブランド豚を使っているのに一切それを宣伝していなかったそう。店主にその理由を聞いたところ「食えば分かる」と答えたそうだが、知り合いの診断士は正直わからなかったと言っていた。

人の知覚品質はかなりいい加減なものである。

ある心理学者の実験によると、同じクッキーをあるグループには超高級品として提供し、一方のグループには近くのスーパーで買ったものとして提供した上でアンケートを取ったところ、高級品として提供した方が圧倒的に「美味しい」と回答されたそうである。物は全く一緒なのにも関わらずである。

じゃぁどんな品質の低い商品でも、マーケティングの仕方によって売れるのかといえば、ある側面ではそうだとも言える。これは裏返すとどんないい商品でもマーケティングの仕方によって全く売れないとも言える。

こういう事を書くと口八丁手八丁でものを売りつける、不誠実な輩の方が「価値が高い」ような物言いに聞こえるかもしれないが、ここで言いたいのは「良いものを作る事」と「売れること」の間には大きなギャップがあって、その間を埋めるために「伝えること」をしっかりやらなければいけないということだ。

マーケティングは恋愛である

ここら辺は、恋愛にも似ているかもしれない。

見た目ばかり気にして中身がない人間は批判されがちだが、現実ではその見た目こそが大事だったりする。
じゃぁ中身がなくていいのかというそれは極論であって、長期的な関係を築く上では、誠実さだったり、話の面白さだったり、何かしらの能力だったりが重要になってくる。逆に中身があれば見た目を気にしなくていいのかというと、外面なんか気にする必要がないという精神性がそこに顕れるのであって、逆説的に中身がその程度の人間だとも言えたりする。
これを経営に置き換えると、商品の価値をどう伝えたいのか、自分の仕事をどう見せたいのかというところが重要になってくるのである。

「WEB集客をする前に考えておかなければいけない事」というタイトルで全く関係ない記事に見えるかもしれない。何を言いたいのかというと「WEB集客」というとホームページやSNSや動画やらが勝手に拡散しに行ってお客を集めてくれるような安易なイメージを持つかもしれないが、「伝える事」のためにしなければいけないことは片手間にやるようなものではなく、結構エネルギーが必要だという点である。

商品が良いだけでは物は売れないのである。
WEB集客は、しっかりと時間とコストをかけるつもりで臨んでいこう。