ご挨拶

合同会社ろじノ考業 代表の小澤朋道(おざわ ともみち)です。

私は、大学卒業後、二十余年ずっとIT業界で仕事をしてきました。そのキャリアはプログラマから始まり、SE、チームリーダーを経て、プロジェクトマネージャー、プロジェクトマネジメント事務局、そして最終的には経営企画へと続いてきました。システム業界で言えば、ある種順当なキャリアを送ってきているように見えますが、興味深い事に、正社員は大学卒業後の3年間のみで、そのほとんどはフリーランスとして過ごしてきています。渡り歩いた現場は20以上あり、仕事をいただくための競争はありましたが、意思と努力次第で様々な仕事と生活を与えてくれたシステム業界には、感謝に耐えません。ちょうど私が社会へ出た年はWindows95が発売された年であり、社会のインフラとしてITが爆発的に浸透した時代と共に歩めたことは、一つの幸運であったかもしれません。

一方で、システム業界で仕事をすることは一つの矛盾でもありました。

上流工程で仕事を始めると、システムを使うユーザーへ導入の説明を行うことがあります。
ある組織のシステム導入で説明をしていた時の事でした。
あるパートさんが「これ便利だけど私たちの仕事がなくなっちゃうわねぇ」と呟きました。
何気ない一言でしたが、自分にとっては大きな問題提起となりました。
「人を幸せにするためにする自分の仕事が、人の仕事を奪ってるのか?」と。

システム導入の主な目的の一つは、「業務の効率化」です。
端的に言ってしまえば、今まで10人でやってた仕事が7人に、7人でやっていた仕事を4人でできるようになるのが求められるべき効果です。そこで余った資源はもっと有効なものに投入すればいい…と言うのが経済合理的な考え方です。自分でシステムを組んでいた時には疑問にも思いませんでした。しかし、実際に仕事がなくなるかもしれない、その人たちの顔と息遣いを前にした時、何かリアルなものを肌で感じるようになりました。資源の有効活用と簡単に言っても、パートタイマーに別の仕事が降ってくるわけではないからです。

一方で、こうした現象はポジティブにも捉えることもできます。

電話交換手の仕事も、タイピストの仕事も今惜しんでいる人はいません。
人がやる価値のないことは全て機械に任せればいい。
考え方によっては、人間はより本質に向き合う時間を手にすることができるようになったとも言えます。
美味しい料理を提供するレストランは、より美味しい料理を提供するために時間を使えるようになるべきです。

経営理念

我が社は

「人しかできない価値を産み、より良い明日を創り出す」

という経営理念を掲げます。
「人しかできない価値」とは、意思決定、コミュニケーション、文化的な営みです。
そのためにテクノロジーが代替できることは、代替できるようにしていく。
そして、一人一人が本質に向き合った結果、より良い明日を創るお手伝いをすることが我が社の使命(ミッション)です。

合同会社ろじノ考業は、生まれて間もない小さな会社ですが、その理想を実現するために誠実に社会と向き合っていきます。

今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

平成30年12月29日
合同会社ろじノ考業 代表
小澤 朋道