ホームページに用意するべきコンテンツを今更ながらに確認する

ある程度の事業規模のホームページ(以下、H P)は時間もコストもかけられるので、それなりにリッチなコンテンツを用意できる。スモールビジネスではそもそもリソースをかけられない場合が多い。よって、よりシビアにH Pに掲載する内容を定める必要がある。

今回は、スモールビジネスのH Pにどんなコンテンツを用意するべきかまとめてみよう。

ページ 目的 ターゲット 詳細
①会社紹介 信頼度向上 契約先・金融機関 事業内容・経営理念・沿革・代表者挨拶
②店舗紹介 集客 顧客(リアル) 店舗誘導、イベント告知
③商品紹介 販売 顧客(ネット) 商品紹介、ネット販売
④SNS連動 交流 顧客 ブログ・SNSリンク・つぶやき
⑤問合せ・FAQ 業務効率化 社内 (顧客) 良くある問い合せのFAQ
⑥人材募集 採用 応募者・スタッフ 応募条件・スタッフ紹介
⑦その他  ― イベント、キャンペーン、ブログ記事

 

これら全てのページが必要な訳ではなく、目的に応じて必要な部分だけ使う。

各ページの目的と留意点

① 会社紹介

どの企業サイトでも自社を紹介することがまず1番の目的になるはずだ。
同業者や取引先、金融機関に向けて、事業内容・経営理念・沿革など会社を紹介する。
大抵の人は経験があると思うが、名刺交換をしたときにその人の会社がどういう会社なのかをまず見に行く。特に取引先になる可能性のあるところは、どういった形で仕事になるのかを確認する場合も多い。
アクセス解析などをやるとトップページの次にアクセスが多いのは大体「会社紹介」のページになる。あまりに当然すぎて語られることも少ないが、目的を持って一番アクセスされるページには一番力を入れる必要がある。
また、実利的な意味合いでも会社紹介をしっかりと作り込んでおくと役に立つ。特に創業時に銀行で法人用口座などを作るときとか、シェアオフィスを借りるときなどにH Pを聞かれることは多い。企業が存在するか否かは登記事項証明書などで証明できるが、本当に実態のある会社なのかの判断を事業計画やHPを一つの判断基準にする場合がある。

② 店舗紹介

次に用意することで役に立つのは「店舗紹介」である。
特にヘアサロンとか飲食店など、リアルな顧客を店舗に集客する場合などは必須である。
店舗までの誘導するための地図はトップページに載せる事が望ましい。トップページはもっともランディング(ユーザが一番最初に着地)しやすいページであり、店舗の位置に1ステップでたどり着くか、2ステップ以上かかるのかで集客の効果もだいぶ変わってくる。

③ 商品紹介

企業がH Pを用意するときに気になるのはネット販売である。
ただ、スモールビジネスの場合はあまりお勧めしない。
自社ECサイトを用意しても、いちいちユーザ登録やクレジットカード情報登録をしないといけないので、ユーザが購入にまでたどり着きにくい。スモールビジネスの範囲では楽天とかアマゾンとかモール型のECサイトに出店した売上につながる場合も多い。
それでも、自社のサイトで商品を紹介する意味は、文字やデザインの制限なく商品を紹介できる点にある。また、店舗ではゆっくり吟味できない場合や、商品のブランド力を高める意味では、価値を持つページとなる。

④ S N S連動

顧客と交流をするためにブログ・SNSリンク・Twitterなどと連動させる。掲示板なども昔は流行ったが最近はそんなにないようである。交流と言っても広い意味で集客や販売をゴールにする場合も多いが、少なくとも直接的な価値だけでなく、顔の見える会社としてブランドイメージや顧客からの親愛度を高める効果もある。

⑤ 問い合わせ・F A Q

問い合わせページを用意するのはある種標準的な仕様である。この点に関しては特に語ることはないが、合わせてF A Qページなどを用意するのも一つの検討ポイントになる。
F A Qに関しては全ての業種に必要な訳ではないが、顧客からの問い合わせが大量に入るような業態の場合、対応するコストというのは案外馬鹿にならない。例えば普段使用しないような希少な道具や機械などを販売した場合、いくらマニュアルを用意してもわざわざ電話で効いてくる顧客も多いものだ。しかも問い合わせの8割は大体似たような内容で構成される。
そうした問い合わせをFAQなどとして載せておくだけで、問い合わせの量が半減し、業務の効率化につながるのである。商材によっては解説を動画で作成していつでも見られるようにしておくというのも有効である。

⑦人材募集

人材募集も、かなり力を入れていい部分だ。
H Pには申し訳程度の募集情報を掲載する会社が多いが、エージェントを使うとバカ高い費用を取られるし、広告を出稿するのも紙面や情報量に制限がある。その点自社サイトでは、コストも変わらず、情報量に制限はない。
この人材難の時代にいい人材を確保するには、相当丁寧にコンテンツを作り込む必要がある。
同じ会社情報でも、顧客向けや取引先に向けて発信すべき情報と、一緒に働くかもしれない人材に対する情報の見せ方は全く違う。スタッフの生の声や経営者自ら顔を見せ、理念や将来像を語るページなどを作っておくとかなり反応は違うはずである。
あるエステサロンは通常の企業サイトの他に、人材募集用のサイトを別に構築している例もあるくらいだ。

何のためにコンテンツを用意するのか?

いかがだろうか?
大体、この辺を押さえておけば通り一遍のH Pは構成できる。
だが、H Pで重要なのは、何を見せるかではなく、そのページを見せた事によって何をしたいのかが一番重要である。
考えなければいけないのは以下の3点である。

目的(期待効果) × ターゲット × コンテンツ

HP作成ではデザインなど「どのように」見せるかを重視しがちだが、この点に関しては上記の3つを決めていけば大体定まってくる。
HP作成業者はデザインの豊富さや優秀さ、あるいは如何に高度な機能があるのかをアピールしてくるが、企業のHPを作るには何らかの目的があるわけで、その目的を捉え、誰に対して、何を見せるかを定めることが一番重要となる。