経営者の為の税金特集【延滞税】〜延滞税を払うくらいなら、人を雇おう

経営には攻めと守りがある。
攻めの部分がなければ経営は成り立たないが、守りの部分もしっかりと考えておかないと死ぬ思いで稼いだ利益があっという間に消える事もある。
このブログでも、守りの部分・・・「税金」に関して触れていきたい。

「税金」は範囲が非常に広い上に、「消費税」とか「所得税」とか一つのカテゴリだけとっても専門の学者が1年以上講義出来るだけの深さがある。それを税理士ですらない人間が浅い知識で語るには危険な領域でもある。一方、税の専門家が語る内容は正確だが、経営者が知りたい全体像が見えづらい部分もある。
結局のところ、経営者にとって税金は「キャッシュアウト」でしかなく、どんな税金をいつどんなタイミングでどれくらいの金額を納めなければいけないのかという点に尽きる。もちろん、本能的に税金は払いたくないものだが、それでもその内容に筋が通っているならば、正しく払って後は本業に集中した方が有益である。

今回の特集は、経営側の視点で知っておくべき税金についてまとめてみたいと思う。
範囲も広いので、不定期で自分自身も色々と調べながら進めていきたい。
はじめにお断りすると、筆者は税理士でも学者でもない為、何かこのサイトの情報を見て事故が起きても責任は取れない。正確な情報が必要な場合は国税局のサイトか所轄の税務署、顧問税理士などに問い合わせをしていただくようにお願いしたい。

まずは、初回は延滞税だ。経営にとってももっとも余計な税金だからだ。

延滞税はどれくらいか?

税金で怖いのは、本来支払うべきものを認識できずにいる事だ。

税務署から郵送でお知らせをしてはくれるものの、積み上げた郵便物の中に開封せずに埋もれてしまうこともあるし、中規模以上の会社でも資金繰りの関係や期日の取り扱いのミスで事故が発生することもある。また、税理士がついているから安心だと思っていても、税理士が対応するのは税額を確定して申告するところまでで、納付してくれるわけではない。いつまでに納付してくださいねとは伝えてくれても、それを漏らせばやはり延滞税がかかる事になる。

延滞税は主に2段階で計算される。

法定納期限から2ヶ月を経過するまで期間

法定納期限とは、例えば所得税であれば個人事業主の3月15日。この翌日(3月16日)から納付日までの期間は原則年「7.3%」。もしくは「特例基準割合+1%」のいずれか低い割合(※平成26年1月1日以後)

具体的には、

  • 平成30年(2018年)1月1日から同年末日までの期間は、年2.6%
  • 平成29年(2017年)1月1日から同年末日までの期間は、年2.7%
  • 平成27年(2016年)1月1日から同年末日までの期間は、年2.8%
  • 平成26年(2015年)1月1日から同年末日までの期間は、年2.9%

となっており、現時点では実質年「3%弱」の延滞税がかかることになる。

納期限の翌日から2ヶ月を経過した日以後

原則として年「14.6%」。もしくは「特例基準割合+7.3%」のいずれか低い割合(※平成26年1月1日以後)

具体的には、

  • 平成30年(2018年)1月1日から同年末日までの期間は、年8.9%
  • 平成29年(2017年)1月1日から同年末日までの期間は、年9.0%
  • 平成27年(2016年)1月1日から同年末日までの期間は、年9.1%
  • 平成26年(2015年)1月1日から同年末日までの期間は、年9.2%

となっており、現時点では実質年「9%前後」の延滞税がかかることになる。

特例基準割合は、月ベースの短期貸付けの平均利率に1%を足した値で、大体市井の短期金利より1%ちょっとお高いくらいの感覚で捉えてもらえば良い。

2段階で分かれているのは、納税期限の2ヶ月までだったら「うっかり」することもあるので多少お安めに、それ以降は、うっかりは通用せずしっかり払ってという事だ。(詳しくはこちら

また、延滞税の計算方法に関してはここでは触れないが「延滞税の計算期間の特例」など計算方法はなかなか複雑なので、具体的に支払う必要が生じた場合は税理士に相談することをオススメする。

延滞税に関する注意点

さて、延滞に関する注意点をいくつか。

・延滞税がかかるのは、あくまで不注意によるもの
期限がうっかり過ぎてしまったり、本来経費にしちゃいけないものを経費にしちゃっていたとかを税務調査などで指摘を受けたとか、勘違いなどを原因とする。実質金利9%前後くらいならバレてから支払うのでも街金から融資してもらうよりは安いよね、と意図的にこれをやってはいけない。意図的に売上や利益を隠したりした場合は、重加算税など35-40%の利率がかかってくるので注意が必要だ。
ここまでくると「マルサの女」の世界だ。

・売上が大きい企業は、納付する消費税額も大きくなる
法人税は、法人住民税の均等割や規模の外形標準課税など赤字でも払わなければいけないものもあるが、基本的には黒字から支払うものだ。利益がそんなに出ていなければ、延滞税の額もそこまで大きくはならない。
一方、消費税は、売上で預かった消費税から経費でかかった消費税を差し引きした金額を支払う税金なので、赤黒関係なく支払わなければいけない。業種業態によっては、薄利多売で儲けはそんなに大きくはないものの売上規模が大きい企業などが存在する。そこでうっかりをやらかすと一気に資金繰りが悪化して経営が持続できなくなる場合も出てくる。

・税金を支払うために、銀行はあまり融資をしたがらない
特に新規融資の場合は、税金の滞納がない事が条件になる。
この低金利時代、延滞税が実質9%なのだからそれより安い利率をつけて貸し出せば儲かるんじゃないかと色気が出そうなものだが、監督官庁から許認可を受けて営業している金融機関が税金の中抜きをして目をつけられることをやれるかというと現実的ではないのかもしれない。

延滞税を払うくらいなら、人を雇おう

なにはともあれ、企業支援の実務に入ると税金の滞納は割と身近で切実な問題だったりする。
特に中小企業は、経営者が忙し過ぎて「守り」にまで目が行かなくなる場合も多く、そのお金があったら税理士やコンサルを雇えんじゃない?と外から見るととても不思議で勿体無いことがままある。そこを経営者が担うのであれば、それ以外の仕事をするための人材を雇ってもいい。

税金は費用にしかならないが、人を雇うことは投資となる。

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