改正健康増進法・東京都受動喫煙防止条例③~まとめ

このブログは、全ての情報を網羅し正確に記述する事が目的ではない。
飲食店などの事業者が今後、受動喫煙防止するためにどんな取組みをしなければいけないのかをまとめている。第一種施設とか第二種施設とかの区分などは知っておいて損はないものの、病院・官庁、劇場などの集合施設、バス・タクシーなどの移動手段の中でのことを細かく書き始めるとキリがないので、割愛する。

管理権原者等の主な責務

管理権原者とは、オーナーなどの施設等の設備の改修等を行う事ができる権原を有するものである。「管理権原者等」の「等」は管理者を含み、管理者とは管理権原者とは別に、事実上の現場管理を行っている者を言う。
受動喫煙を防止できる権限や責任を持った施設・設備の責任者は、以下事が義務付けられている。

  • (喫煙してはいけない場所での)喫煙器具・設備の撤去
  • 喫煙者への喫煙の中止等の依頼
  • 標識の設置
  • 立入検査への対応と報告

小さな企業ならオーナー自身が、少し大きめの事業者なら店長や命令を受けた管理者などがこうした配慮をしなければいけない。面倒でもダメな場所から灰皿を撤去し、標識を立て、吸えないところで吸う人がいたらちゃんと声をかけなければいけない。
また、別の関係省令で、従業員を募集する者は受動喫煙防止状況について募集の時に明示する義務がある。
ややこしい事は多いが、基本的にタバコを吸わない人に「受動喫煙防止」する措置を誰がどのように行うのかを押さえる。

技術的要件

喫煙室の外へタバコの煙が流出しないように防止措置を取らなければいけない。これを「技術的要件」と言う。
具体的には

  • 喫煙室の出入り口で部屋の外→内に流入する空気の気流が2m/秒以上
    →要は喫煙室から煙が出ないように、喫煙室の外から内へ空気の流れを作る
  • 煙が漏れないように喫煙室を壁・天井等によって区画される事
    →喫煙できる階とできない階で分けることも可能
  • 煙が施設の屋外に廃棄される事

となる。
従業員がいないなどの一定要件を満たした飲食店などが「喫煙可能室」として全面喫煙可能とする場合は、(2)のみ対応すれば良い。また、条件によって一定の経過措置なども認められている。
まとめると、単に区画を分ければいいと言う安直な対応ではなく、受動喫煙を防ぐ措置をしっかりとしないといけない。流石にこうした対応はお金がかかるので、中小企業など喫煙室の設置などの費用が苦しい場合は、厚生労働省が用意する「受動喫煙防止対策助成金」なども存在する。

現実的な対応

色々と細かい事は多い。
特に加熱式タバコか否かによって喫煙室の種類を分けたり、従業員の有無によって要件が変わると、読んだ瞬間は理解できても空で説明する事は難しいし、標識を分けたとしてもいちいち客が親切に見分けてくれるかどうかはまた別の問題となる。法律は原理原則を定めるものなので、受動喫煙の影響とその因果関係の証明できていない「加熱式タバコ」は分けなければいけないし、従業員自身が喫煙者であっても、喫煙が目的にその場にいるわけではない以上受動喫煙の影響はある。
そうした対応を細かく規定していくと、現場の運用から乖離した官僚的なルールが出来上がるのである。

結局のところ現実的な選択肢は以下の3つになる。

  • これを機に、全面禁煙にする
  • (たばこ全般を吸える) 喫煙専用室を作る
  • シーガーバーなど、喫煙のためのお店にする

今回の法改正で一番大きな影響は「飲食も喫煙も同時に行う事がほぼ出来なくなった」点だ。今一番多いのは、喫茶店などで喫煙ルームを分けているパターンだがこれが禁止される。

厳密には、「指定たばこ専用喫煙室」では加熱式たばこと飲食は同時に行えるのだが、喫煙ルームに加熱式たばこのお客様しか入れませんと選別する事は難しい。また、従業員がいない既存の飲食店でも飲食はできるのだが、よっぽどの小規模事業者しかできない。そうなるとシガーバーにするのは有力だが、喫煙を目的にするようなお店へ大きく業態変化しないといけなくなるので、今やっているお店の延長線としては難しいと言う事になる。

まとめ

法改正があるから仕方なく対応すると言う態度ではいけない。

以前も書いたが、今後具体的にどう言うお客さんにどんな価値をどのように提供するのか、事業コンセプトをしっかりと見直していこう。その結果として、タバコを吸う客を呼び込もうと言うのは一つの戦略としてはあるとは思う。そうでなければ、基本的には全面禁煙にして、お客をどのようにシフトしていくのかを検討しよう。

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